甲状腺腫瘍備忘録

甲状腺腫瘍発覚から手術までの備忘録です

神戸が好き

私が通う専門病院は神戸にある有名な病院で、うちからは新幹線を使っても良いほど遠い。在来線でも三宮までは一本で行けるから、実質新幹線も在来線もそれほどかかる時間に大差はないのだけれど、新幹線は大体座れるし、席もしっかりしているから楽なので好き。まあ前回は初診で、朝9時までに入るという制約があったので新幹線に乗ったけれど、次は予約が午後なので在来線で行くと思う。

 

で、久しぶりに病院の周りや三宮のあたりなどを歩いたりして、ああやっぱり神戸に住みたいと思ったのだった。この間六甲山に行ったばかりだけれど。

 

思えば遠い遠い昔、家を出てはじめて働いたのが神戸の会社だった。まだ働くことにもそれほど慣れず、仕事帰りに神戸の街を楽しむなんていうことはほとんどなかったので、たまに神戸に住む友人と食事をした程度の記憶しかない。それでも、神戸は人の流れが他の都市に比べて少し緩やかで、山も海もすぐそばにあって、小さな街に必要なものが揃っていて、歩いて移動できる感じが好きだったのだ。

 

そのような、なんだか好きだなあと思える場所は他にもあって、京都の左京区のあたりや、鎌倉あたりや、パリの感じも好きだった。手の届く距離に都会があって不便せず、人の多さに疲弊せず、感受性を解放しておけるくらいの静けさのある場所。

 

パリもフランスで一番の都市なので人が多いはずなのだけど、思っていたより随分こぢんまりとした街だった。メトロの数駅ならじゅうぶん歩いて移動できる。適度な都会は、本物の田舎ほど隣人との距離が近くないのもいい。田舎の、隣人との心のゼロ距離生活が少し苦手だからだ。今住んでいる地域は、田舎でありつつも新興住宅地であまり近所とベタベタしていないところはいい。だが、映画館ひとつないのはいかんと思う。あと舞台やライブに行きたくても、仕事帰りは絶対無理だったり、飛行機に乗る予定をたてたらプラス1日か2日移動日が必要なのもけっこう辛い。田舎、と一口に言うけれど、都会との距離で生活のしやすさはかなり違う。

 

もし、今後も定期的に病院に通い続けることになるとしたら、その時は神戸に移住したい。そしたら映画も観られるし、買い物も困らないし、病院も思った時にいけるし、空港もあるし、いいなあ。という妄想。